映画「マトリックス・リローデッド」

み、観ちまったよ、「リローデッド」。畑違いとはいえやはり評論を書きもする者として、観ないで言及するのはまずかろうと思って。でだ、観ながら何度も私はこうつぶやいた。


「つまらない……」


しかし、評論家ですらしばしば勘違いしている人がいるが、ある作品がつまらない、と言うのは、おもしろい、と言うのと同じく、その作品についての批評ではない。作品Aがあるとして、「Aが面白い(つまらない)」という言葉は、正確には「Aが面白い(つまらない)と私は感じた」という命題に変形される。つまり、これは「私はAが面白い(つまらない)と感じる者である」という「私」についての命題であって、Aについての命題ではない。つまりAに対して何ら意味を付け加える言葉ではなく、だからAについての批評ではないのだ。Aについて批評を書く、ということは、だからAを主語とする命題を作ることでなければならない。では作る。