「アダムス・ファミリー」「同2」

「蜘蛛女のキス」が所詮舞台劇映画であったとしても、「十二人の怒れる男」同様嫌いになれない私*1。だからしラウル・ジュリア*2のノーメークでも魔物面を故人を偲びつつ観ました。また、そろそろ故人になりかねないクリストファー・「ドク」・ロイドのやみくもに元気な様を心配げに眺めました。アンジェリカ・ヒューストンの美貌を眺めながら、わけもなく親父のジョン・ヒューストンの「アニー」など思い出して、あの冒頭の枕の羽根を散らす子ども達の行進のショットには少しはジャン・ヴィゴの「新学期・操行ゼロ」の記憶が反映しているのだろうか、などと思いをいたしたり、また失われた少女クリスティーナ・リッチの抑制された演技を可愛く観ました。いや私が可愛いわけじゃない。そんな感じで物語と役者しか観てなかったけど、バリー・ソネンフェルド監督のわかりやすさはそんなに嫌いじゃない。それが観やすさではないにせよ。ちなみに2は初見。

*1:もっとも「十二人の怒れる男」はキャメラボリス・カウフマンだけどね。

*2:アントニオ・バンデラスは彼のことを尊敬してるのだろうな、などとも思った。