マユロックさんへのレス

まずは皆さんの感想を再読。マユロックさんから。

id:mayurock:20040116
総じて、何かすごく複雑なことを僕はあれこれと考えなくちゃと思って、はてなはじめる前からイライラしてたんだけど、すごく簡単なことだったのだと認識できたことが何よりよかったと思う。

なによりです。マユロックさんはジェンダー論を通過した上での美術評論を目指している方のようで、すると私が推測するに、ジェンダー批評をする自分のジェンダー位置でお悩みだったのではないか。たとえば、性自認が男性である自分がフェミニズムを代理した語りをしてよいものか、とか。私のエッセイではまだその問題にコンスタティブに答えてはいないけれども、ここで一言いうならば、私の考えは次のようなものです。


ジュディス・バトラーによる本質主義ジェンダーは文化以前の物質的基盤を持つ、という考え)批判を受けるならば、女性性の本質なるものはなく、女性性とは女装という文化的行為とそれに対する社会的な反作用によってこそ構築されるものではないか。たとえば受胎するという一見揺るがしがたい純生物学的現実と考えられているものすら女性性の本質ではなく、むしろその身体が社会的に受胎を期待されるという「こと」こそが女性性を構築するのではないか。ならば……ってところでやめときます。ほら、ねえ、もう……一言のつもりがどうしても長くなっちゃうんだよね、脱性的な「普遍」的コンテクストがあてに出来ない(というかそんなものは無い)議論だから。


マユロックさんは別な日記id:mayurock:20040129#p2で『次元往復』の総評も書いていて、これには編集長の夏一葉も相当元気づけられたようです。これからももりもり書いてくださいね。